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開催中
2025/2/1(土)〜2025/3/30(日)
10:00〜17:00
特別展 魂を込めた 円空仏 ―飛騨・千光寺を中心にして―
円空は、江戸時代前期に日本各地を修行し、木肌とノミ痕を活かした現代彫刻にも通ずる独特の神仏像を残しています。そして晩年を飛騨(岐阜県)で過ごし、千光寺をはじめ近隣地区で多くの像を制作しました。「飛騨の匠」と称される歴史を背景に、木材の産地として有名な飛騨は、自然に恵まれ、円空が修行と仏像の制作に励むに相応しい場所でした。魂を込めた円空仏を多数展示します。
両面宿儺 像(千光寺)が日本橋に初登場!
三井記念美術館の特別展「魂を込めた 円空仏―飛騨・千光寺を中心にして―」に、岐阜県千光寺の「両面宿儺像」が日本橋で初めて展示される。
両面宿儺坐像 千光寺
(画像提供:東京国立博物館 Image:TNM Image Archives)
「
「一つの胴体に二つの顔があり、」「左右に剣を
改めて円空仏の特徴といえば、像の表面に荒々しい
両面宿儺坐像 千光寺
(画像提供:東京国立博物館 Image:TNM Image Archives)
展覧会の趣旨
江戸時代の山林修行僧円空は、愛知、岐阜を中心に関東、北陸、さらに北海道までを巡り、各地に木彫の神仏像いわゆる「円空仏」を多数のこしました。現存するその数は約5000余体ともいわれます。円空は、材となる「樹木」に神仏を
また円空は、樹木を「
円空が樹木に「樹神」を
展示構成と主な出品作品
展示室1樹神 とノミの削 り痕
円空は、樹木の生木に神仏の「
迦楼羅(烏天狗)立像 千光寺
(画像提供:東京国立博物館 Image:TNM Image Archives)図1
神像 小川神明神社
図2
愛染明王坐像 霊泉寺
(画像提供:東京国立博物館 Image:TNM Image Archives)図3
展示室2柿本人麻呂
柿本人麻呂は、7世紀後半の歌人、「万葉集」 第一の歌人として知られています。また三十六歌仙の一人で、『
千光寺に遺されている円空の歌集『
柿本人麻呂坐像 東山神明神社
(画像提供:東京国立博物館 Image:TNM Image Archives)図4
展示室3護法神
千光寺(高山市)と飯山寺(高山市)には、総高2メートルを超える同様の構造・像容の作例が現存します。いずれも半裁した丸太を、さらに半分に割り、木心側を像の正面として各部を彫出しています。
護法神立像 千光寺
(画像提供:東京国立博物館 Image:TNM Image Archives)図5
金剛神立像 飯山寺
(画像提供:東京国立博物館 Image:TNM Image Archives)図6
展示室4慈悲 と忿怒 の相
仏教は多神教であり、多くの仏が存在します。それらを経典や図像集から身分や役割によって分類すると「如来」「菩薩」「明王」「天」に分けられるのが一般的です。また顔の表情は、「天」の女性神や童子形の像は別にして、「如来」「菩薩」が慈悲相、「明王」「天」が忿怒相に分けられます。しかしながら、円空の像は忿怒相の中にも慈悲がにじみ出てくる像があり、千光寺の
両面宿儺坐像 千光寺
(画像提供:東京国立博物館 Image:TNM Image Archives)図7
如意輪観音菩薩坐像 東山白山神社
(画像提供:東京国立博物館 Image:TNM Image Archives)図8
不動明王立像及び矜羯羅童子立像・制吒迦童子立像 千光寺
(画像提供:東京国立博物館 Image:TNM Image Archives)図9
不動明王立像 素玄寺
(画像提供:東京国立博物館 Image:TNM Image Archives)図10
展示室4観音信仰
観音菩薩は慈悲と救済の菩薩です。『法華経』(『妙法蓮華経』の略称)観世音菩薩
また観音菩薩は、インドのヒンドゥー教の神に倣い、中国で隋・唐時代に多面、多眼、多
三十三観音立像 千光寺
(画像提供:東京国立博物館 Image:TNM Image Archives)図11
聖観音菩薩立像 荒原石仏図12
十一面観音菩薩立像 村上神社図13
展示室7龍神 と宝珠
インドの神話の蛇神が仏教に取り入れられると、蛇神が中国で龍になり、龍王、龍神が経典に説話として登場するようになります。また仏伝にも、雨を降らせる、洪水から護るなど水、雨、河などに関わる話が多くあります。特に『法華経』序品第一の冒頭には、ある時釈迦が王舎城の
また『法華経』第十二
なお、円空が描いた『大般若経』見返し絵の中には、龍と宝珠の図が多数登場しており、円空の『法華経』第十二提婆達多品に対する想いもうかがうことができます。
千手観音菩薩立像及び聖観音菩薩立像・龍頭観音菩薩立像 清峯寺
(画像提供:東京国立博物館 Image:TNM Image Archives)図14
十一面観音菩薩立像及び今上皇帝立像・善女龍王立像 桂峯寺
(画像提供:東京国立博物館 Image:TNM Image Archives)図15
展示室7宝珠 を持つ像
宝珠は、不可思議な功力をそなえた珠、宝石類の総称である
一方、釈迦の遺骨として篤く信仰されてきた
弁財天坐像及び二童子立像 千光寺
(画像提供:東京国立博物館 Image:TNM Image Archives)図16
弁財天立像 飛騨国分寺
(画像提供:東京国立博物館 Image:TNM Image Archives)図17
展示室1・4白山神と日本の神々
円空は『弥勒寺文書』の『妙法蓮華経』第四帖紙背(自筆)に諸神唱礼文として、「伊勢両太神宮」「八幡大菩薩」「春日大明神」の日本の代表的な三明神のほか、各地の山岳神二十四神の名を記しており、円空の山岳神への篤い信仰が見られます。
また円空は、樹木に宿る「樹神」が日本の
白山妙理大権現坐像 小川神明神社図18
八幡大菩薩立像 住吉神社図19
展示室5・7ほとけの世界
仏像の種類は、如来・菩薩・明王・天部など種類も多いですが、円空仏の場合、樹木という材の制限から、手足の多い密教系の像などは少ないことが分かります。現存する円空のほとんどの作例は、銘文などが無いので、尊像名は尊像の特徴である手、足、顔、目などの数や持物、着衣、装身具などから判断して所蔵者、研究者、信仰者が後につけていると思われます。
薬師如来立像 薬師堂図20
阿弥陀如来坐像及び 二十五菩薩立像 光円寺図21
地蔵菩薩坐像 中山地蔵堂図22
- 会期
- 2025年2月1日(土)~3月30日(日)
- 開館時間
- 10:00〜17:00(入館は16:30まで)
- 休館日
- 月曜日(但し2月10日、2月24日は開館)、2月23日(日)
- 主催
- 三井記念美術館、読売新聞社
- 後援
- 岐阜県、高山市、下呂市、飛騨市
- 入館料
- 一般 1,500(1,300)円
大学・高校生 1,000(900)円
中学生以下 無料- ※70歳以上の方は1,200円(要証明)。
- ※20名様以上の団体の方は( )内割引料金となります。
- ※リピーター割引:会期中一般券、学生券の半券のご提示で、2回目以降は( )内割引料金となります。
- ※障害者手帳をご呈示いただいた方、およびその介護者1名は無料です(ミライロIDも可)。
- 音声ガイド
- 音声ガイドで分かりやすく解説いたします。(貸出料 700円/1台)
- 入館
- 予約なしでご入館いただけます。
展示室内の混雑を避けるため入場制限を行う場合があります。
- お問い合わせ先
- 050-5541-8600(ハローダイヤル)