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年末年始の恒例となった、国宝の円山応挙「雪松図屏風」の公開。松に降り積もった雪を、塗り残した紙の白さで表す本作のように、東洋美術における四季・気象現象の表現には、一目では気付かない様々な技法や魅力が潜んでいます。本展では「雪松図屏風」を含む館蔵の書画・工芸品を中心に、移りゆく四季・気象を表す技法や、見立てに注目しながらご覧いただきます。

展示構成と主な展示作品

展示室1〜3茶道具にみる四季

うつわに四季の草花の図を施したり、あるいは焼き物の景色や形に、四季の風景や気象を見出し、銘によって象徴したりと、茶道具と「四季」のイメージは切っても切れない関係にあると言えます。本章では館蔵の茶碗や茶入を中心に、季節を感じさせる「銘」を持つ茶道具や、絵付けされた草花に注目しながら作品をご覧いただきます。かつての所蔵者が、茶道具の中にどのような風景や景物を見出したのかを想像しつつ、お楽しみください。

展示室4四季と気象を描く

春夏秋冬、それぞれの季節の訪れを告げるもの、その季節らしさを体感するものとして「気象」が挙げられます。それらは雪や雷のような有形のものであったり、あるいは春のぽかぽかとした陽気、まとわりつくような夏の湿気といった、目には見えないものであったりと様々です。本章では、画家や作品ごとの気象表現の違いや工夫、また「気象」そのものだけでなく、どのようなモチーフを加えることで季節感を表しているのかといった点に注目しながら、四季を描く絵画をご覧いただきます。

また、円山派の画風によって描かれた「四季海辺図(しきかいへんず)屏風」4点を初めて展示いたします。6曲2双からなり、落款がなく筆者は不明ですが、円山応挙の子・応瑞(おうずい)が御所の常御殿三之間(つねのごてんさんのま)に描いた「四季海辺図」と一部が似通い、円山派のレパートリーとして、こうした四季の水景を描いた作品が存在していたことを推察させます。瀟洒な作品ではありますが、四季の気象や空気・温度を感じながらご覧いただければ幸いです。

展示室5四季を詠む

古来、人々は四季の風景の美しさ、あるいは気候の心地よさ・苛烈(かれつ)さに対峙した際、湧き上がった感興を文学として遺(のこ)してきました。また、その詩歌を書に認(したた)めたものは、手鑑(てかがみ)や掛軸に仕立てられることで、後世の人々の心をも楽しませ続けています。本章では和歌色紙をはじめとする館蔵の書から、春夏秋冬を詠んだものを取り上げて展示いたします。

また当館としては約6年ぶりに、古筆(こひつ)の中でも「三色紙(さんしきし)」として尊ばれる「継色紙(つぎしきし)」「寸松庵色紙(すんしょうあんしきし)」「升色紙(ますしきし)」の3点を同時に展示いたします。古典文学にゆかりの深い意匠による、蒔絵の調度品と併せてお楽しみください。

展示室6四季と暮らし

本章では「四季と暮らし」と題し、明治の浮世絵師・水野年方(みずのとしかた)による連作「三井好(みついごのみ) 都のにしき」の一部を展示いたします。同作は全13図からなり、当時の錦絵の流行主題でもあった、女性の季節ごとの家庭風俗が描かれています。「三井好」との作品名が表すように、三井呉服店の商品広告をも兼ねていたとされ、画中の女性の着用アイテムには当時の流行が取り入れられているとの指摘もあります。

展示室7四季を束ねる

仮想空間たる絵画の中では、異なる季節の花々を同時に愛でることができれば…との望みも容易に叶えることができます。こうした装飾としての「四季の花づくし」的な作品がある一方、「四季の花が同時に咲く」様子を、この世の理(ことわり)から外れた「異界」の表現として用いる作品もみられます。

また、貴顕(きけん)の屋敷や寺院の障壁画においては、しばしば四季を主題とした山水図や耕作図が描かれました。これは四季絵が、単に春夏秋冬の美しさを描きとめるという意味に留まらず、時として「循環する世界」そのものを表象したことに拠ります。移り行く季節を一つの空間に表すことで、その空間を掌握する支配者たることを疑似的に示す効果があったとの説もあり、「四季」をまとめて描く行為は、しばしば現代とは異なる文脈を与えられてきました。

本章では、こうした一つの画面ないし、一組の作品内に春夏秋冬をあしらった美術に着目します。先に触れたような、作品ごとの趣向の違いにも目を向けつつご鑑賞ください。

会期
2026年12月12日(土)〜2027年1月30日(土)
開館時間
10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日
月曜日(但し1月4日、1月11日は開館)、年末年始12月28日(月)~1月3日(日)
主催
三井記念美術館
入館料
一般 1,200(1,000)円
大学・高校生 700(600)円
中学生以下 無料
  • ※70歳以上の方は1,000円(要証明)。
  • ※20名様以上の団体の方は( )内割引料金となります。
  • ※リピーター割引:会期中、半券のご提示で、2回目以降は( )内割引料金となります。
  • ※障害者手帳をご呈示いただいた方、およびその介護者1名は無料です(ミライロIDも可)。
入館
予約なしでご入館いただけます。
展示室内の混雑を避けるため入場制限を行う場合があります。

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お問い合わせ先
050-5541-8600(ハローダイヤル)
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