美術館概要About the Museum

三井記念美術館についてAbout the museum

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三井記念美術館は、日本・東洋の優れた美術品を収蔵している三井文庫別館が、三井家及び三井グループに縁の深い日本橋に移転して、2005年10月に開設した美術館です。

三井記念美術館

東京都中央区日本橋室町二丁目1番1号
三井本館7階
ハローダイヤル:050-5541-8600
  • ※三井記念美術館の入口は日本橋三井タワー1階アトリウムです。
  • ※当館には専用駐車場はございません。

交通アクセス

「駿河町越後屋正月風景図」鳥居清長筆
「駿河町越後屋正月風景図」鳥居清長筆

三井家が江戸時代から収集した
美術品4000点

三井グループで知られる三井家は、元祖 三井高利(1622~94)が伊勢松坂から息子達に指示を出し、延宝元年(1673)に江戸本町に「越後屋」を開店したことに始まります。

呉服の反物の切り売り現金取引をして庶民の人気を集め繁盛、その後、京都、大坂、江戸で呉服と両替店を開き、幕府の御用、朝廷の御用を受けるほどになりました。その後事業を拡大、明治以降は三井銀行や三井物産を設立するなど戦前は150社余に及ぶ三井財閥を形成しました。

三井家は三井高利の子ども達の時代に、長男高平が惣領家北家、三男高治が新町家、四男高伴が室町家、九男高久が南家など11家とされました。経営面で様々な浮沈もありましたが、各三井家がそれぞれ美術品を収集、特に享保から元文年間の営業収益が伸びた時期は、茶道具を主とする名物道具の収集が盛んでした。

三井記念美術館は、北家、新町家、室町家、南家、伊皿子家、本村町家のほか、三井家の親戚である鷹司家からの寄贈を受けた美術品約4000点を所蔵しています。

重要文化財「黒楽茶碗 銘俊寛」
重要文化財「黒楽茶碗 銘俊寛」

茶道具が約半数で、国宝6点、
重要文化財75点

館蔵品は、北家から約1900点、新町家が約1050点、室町家が約700点の寄贈品などから構成されており、国宝6点、重要文化財75点、重要美術品4点が含まれています。その中核は茶道具類で、国宝「志野茶碗 銘卯花墻」、重文「黒楽茶碗 銘俊寛」、重文「唐物肩衝茶入(北野肩衝)」など名品優品が含まれています。

絵画は、円山応挙の代表作 国宝「雪松図屏風」など円山派の作品が多く、三井家が積極的に応挙を庇護していた関係も興味深いところです。 拓本では、中国古拓本の聴氷閣コレクション、書跡は藤原定家筆国宝「熊野御幸記」など、能面は重文「孫次郎」に代表される金剛流伝来の50数面があります。 また、国宝2点・重文7点を含む刀剣類、国宝の日本最古の墓誌など質が高いものとなっています。世界的な切手コレクション約13万点も所蔵しています。

国宝「雪松図屏風」 円山応挙筆国宝「雪松図屏風」 円山応挙筆
国宝「雪松図屏風」 円山応挙筆

「造形の美」と「用の美」

展示室1
展示室1
展示室3 「如庵」再現展示ケース
展示室3 「如庵」再現展示ケース

「造形の美」と「用の美」

展示室では、洋風建築の空間に、館蔵品を主体に日本および東洋の美術品を展示し、伝統的な「造形の美」を鑑賞していただきます。「造形の美」とは、形、色彩、構図といったそれぞれの作品がもつ固有の美しさです。

また、茶室「如庵」を再現した展示ケースでは、茶道具の取り合わせによる「用の美」をご覧いただきます。「用の美」とは、・用いる(もちいる)・美しさのことで、茶道具は使われているからこそ、また、取り合わせて使われるなかでその美しさが引き出されるということです。

三井家にゆかりのある国宝・茶室「如庵」の室内を再現

「如庵」再現展示ケース内部
「如庵」再現展示ケース内部
国宝茶室「如庵」
国宝茶室「如庵」

三井家にゆかりのある
国宝・茶室「如庵」の室内を再現

中央の展示室には、織田有楽斎(織田信長の実弟、1547~1621)が京都・建仁寺境内に1618年頃に建てた茶室「如庵」を再現しました。

「如庵」は、明治41年(1908)に三井家の所有となり東京・麻布今井町の三井邸内に移築、昭和3年、北家十代の三井高棟が如庵披きの茶会を行いました。昭和11年には旧国宝に指定され、昭和12年(1937)から5年の歳月をかけ大磯の三井家別荘に移築され、昭和26年(1951)に国宝に再指定されました。

その後、昭和40年代に名古屋鉄道に売却され、現在は、愛知県犬山市に移築されています。三井記念美術館では、京都造形芸術大学教授中村利則氏の監修のもと、可能な限り忠実に再現した「如庵」の内部がご覧いただけます。「如庵」では、季節や展示に合わせて茶道具を取り合わせ、茶道具の本来あるべき空間での美しさを堪能していただきます。

※展覧会によっては、「如庵」内での茶道具の展示のない場合もございます。

重要文化財の洋風建築
三井本館内に美術館

三井本館外観
三井本館外観

重要文化財の洋風建築
三井本館内に美術館

三井本館は、アメリカのトローブリッジ・アンド・リヴィングストン社が設計、1929年に竣工されたアメリカン・ボザール・スタイル新古典主義の昭和初期の日本を代表する重厚な洋風建築として、1998年に国の重要文化財に指定されています。

重要文化財の三井本館の中に建物を活かしながら美術館を新たに創るのは、美術館を新築するのに比べて大変な労力がかかります。 日本橋地区の「歴史的建築物の保存と周辺と調和した開発の両立」に取り組む三井グループが、文化の保存継承のために取り組んだ新たな「三井記念美術館」の誕生です。

交通至便な日本橋、超高層日本橋三井タワーに隣接

三井タワー

交通至便な日本橋、
超高層日本橋三井タワーに隣接

三井記念美術館は、三井家ゆかりの地であり、江戸の昔から交通・商業の中心地であり続ける日本橋に位置しています。

2005年7月29日に竣工した日本橋三井タワーの1階アトリウムが美術館の入口です。近代的な超高層ビルの入り口から、昭和初期を代表する洋風建築である三井本館へと進み、当時の雰囲気が残る展示室へ導かれるという体験をしていただきます。

近代建築と現代建築、さらに日本と東洋の古美術のコラボレーションへの誘いはすべてが美術館としての空間です。

日本橋三井タワーは地上39階建ての超高層複合ビルで、30階から38階の高層階にはマンダリン・オリエンタル・ホテル・グループの「マンダリン オリエンタル 東京」が日本で初めてオープンするなど、日本橋地区のランドマークとなるビルです。

三井記念美術館のある日本橋地区は、2004年にオープンした「COREDO 日本橋」に続き、「COREDO 室町1・2・3・テラス」などもオープンし、街が活性化されている注目の地域です。

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